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2008年 03月 02日
何の気の迷いか?、こんな本を買ってみました。
勝間和代『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』 ざっと読んでみたのですが、どうにも面白くない。いや、なかなか「役に立ちそうな」ことが書かれていることはわかるのですが、率直に言うと「読み物として面白くない」のです。つまらない訳ではありませんが、「面白くない」のです。 この違和感はどこからくるのか、と考えたのですが、その一つは、強調部分の多さでしょう。ちょうど、歴史の教科書か参考書を思い浮かべていただければよいのですが、(筆者が)重要であると思っている部分は、ゴチックで強調してあります。これって、歴史の教科書でも同じですよねぇ。と、なぜか手元にあった『詳説 日本史』を見てみると、やはり重要部分は太字でコチックです。とはいっても、『効率』ほどではありません。この本は、ご親切にも、おそらく重要な部分はもれなく太字で強調されているようです。 これは、便利なのかもしれませんが、読者に考えるということをさせてくれません。文章を読んで、どこが重要なのか。筆者が重要と思う部分と、読者がそう思う部分と、必ずしも一致する訳でもなく、筆者がぽろっと書いた部分に大きなヒントを得る読者もいるわけです。価値観が異なるから、当然でしょう。著者が間違ったことを言っている訳ではないと思いますが、「これとこれは正しく重要!!!!」と押し付けられている感じです。それが、ずーっと最初から最後まで続くのですから、ちょっとしんどい。書名ではありませんが「効率」が10倍で、多すぎて「遊び」の部分がないように思います。 *この辺が、野口悠紀雄と違うところかな、と感じます。勝間の本にはゲーテもモーツァルトも出るまくなし、という気がします。教養の差? 面白いなぁと思った点が幾つか。 1. とにかく「本を読め」と言ってます。本屋さんかいなと思うくらいに読書を勧めています。 2. 索引がない。索引があったらもっと「効率」的だと思うのですが。 3. 結構運動を奨励している。やはり体力から、ということですね。 4. テレビを見ない(あと、酒タバコゲームもしない、そうです)。これは同感っていうか、むしろ「私がテレビを捨てた理由」ということをメインに本を書いた方が面白そうな本になると思いますが。 5. おすすめはパナソニックの「レッツノート」だそうです。へー。 6. ランチでコミュニケーションをとる。これはなかなかいいかも。 どっかに書いてあるのかもしれませんが、結局「グーグル化」って何なんですか?よくわかりませんでした。gmailを使うというのはわかりましたが・・・ それにしても、この手の本の元祖は梅棹忠夫の『知的生産の技術』なのですが、この本のすごさを『効率』を読んで、改めて感じました。「古典」という名にふさわしい。
by albertus
| 2008-03-02 00:33
| 読書
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