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2007年 01月 16日
明石書店から、森孝一編『EUとイスラームの宗教的伝統は共存できるのか―「ムハンマドの風刺画」事件の本質』(明石書店、2007年)という本が出ました、ので宣伝など。
私は、この本の「索引」を作る手伝いをしたので、文字通り隅から隅まで読みました。 やっているときの感想は、「異文化理解って大変だなぁ」という中学生か高校生のホームステイの感想文みたいですが、そんな単純なことを改めて認識した本でした。 ちょっと象徴的だなと思ったのは、これ、発端がデンマークなんですよね。普段デンマークの事件なんて、そうそう触れる機会はありません。しかし、この話があっという間に世界中に広がっていくことは、おそらく10年前だったらあり得なかった速度ではないかと思われます。昨年の終わりにイラクでフセイン元大統領が絞殺刑となり、その様子が携帯電話で動画撮影され、あっという間に世界中に流されてしまったということは(私も見てしまいました)、この「速度」とシンクロしている気がします。 ヨーロッパの小国で起きた事が、世界中に広がり、死者まででたということは、21世紀の、9.11とは違った意味で、象徴的な事ではないでしょうか。 その世界中の反応を分析した本となっています。もう事件としてはすっかり忘れられた出来事かもしれませんが、これほど、文字通り「世界中」を扱った本も少ないのではないでしょうか? 値段もちょっとお高めですが、「グローバル化」を考える上でも手元に置いてほしい本だと思います。 ついでながら、明石書店の本を紹介するのは、二回目なんですよね。以前は、コーカサスを知るための60章という本を紹介したことがあります。
by albertus
| 2007-01-16 01:14
| キリスト教
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